以前、「日本基督教団」と「日本同盟基督教団」の教会地図について記しました。
日本のキリスト教、特にプロテスタントの教会は、世界的に見ると決して大きな規模ではありません。
国内最大規模のプロテスタント教団である日本基督教団には、1,600を超える教会があります。一方、日本同盟基督教団は全国でも上位に位置する教団ですが、教会数は300程度。教団によって規模には大きな違いがあります。
そして、日本には教会数が20程度という、小さな教団もあります。
その一つが、キリスト聖協団です。
今日は、そんな小さな教団と日本同盟基督教団との協力によって再び礼拝が始まった教会のお話から、福音が前進するとはどういうことなのかを学びました。
⛪ 教団や教派を超えて、礼拝を守る
静岡県の伊豆半島東海岸に位置する東伊豆町。
この町には、キリスト聖協団に所属する「伊豆教会」があります。
しかし、牧師が不在となったことなどから、しばらくの間、教会の活動が休止されていました。
そんな伊豆教会に転機が訪れたのが、2023年のことです。
隣の伊東市にある日本同盟基督教団・川奈聖書教会との協力によって、礼拝が再開されました。
現在は、川奈聖書教会の牧師が伊豆教会の牧師も兼任し、毎週日曜日の午後2時から礼拝が行われています。
日本同盟基督教団もキリスト聖協団も、プロテスタントの福音派に属する教団です。
とはいえ、所属する教団は異なります。
さらに興味深いことに、伊豆教会にはプロテスタントだけでなく、カトリック教会の方々をはじめ、さまざまな背景を持つクリスチャンが集まって礼拝をささげているそうです。
教団や教派が違っても、同じイエス・キリストを信じ、共に礼拝をささげる。
小さな教会だからこそ実現している、教派を超えた協力の姿なのかもしれません。
📖 今日のメッセージ『福音は前進している』
今日は、その川奈聖書教会の牧師であり、伊豆教会の牧師も兼任されている山口先生が、町田まで来て礼拝メッセージをしてくださいました。
メッセージのタイトルは、
『福音は前進している』
聖書箇所は、新約聖書のピリピ人への手紙1章12〜14節でした。
「福音」とは「良い知らせ」という意味です。イエス・キリストによって神様の救いが与えられるという、キリスト教の中心となるメッセージです。
その福音が、どのように前進していくのか。
山口先生は、川奈聖書教会の歩みを振り返りながら、お話ししてくださいました。
🌱 四半世紀前、存続が危ぶまれていた川奈聖書教会
何事にも歴史があります。
今でこそ、多くの方が礼拝に集まり、さらに隣町の伊豆教会の礼拝まで支えるようになった川奈聖書教会。
しかし、四半世紀ほど前には、高齢の方が数えるほどしか集まらず、教会の存続そのものが危ぶまれた時期もあったそうです。
川奈は、歴史的にも興味深い土地です。
鎌倉時代の1261年、日蓮は鎌倉幕府によって伊豆へ流されました。日蓮宗に伝わる話では、川奈沖に置き去りにされた日蓮を、地元の漁師夫妻が救ったとされています。
川奈は、鎌倉時代からの仏教の歴史が色濃く残る土地でもあるのです。
そんな土地に、近代になってプロテスタントの教会が誕生しました。
しかし、教会ができた当初は、地域の方々に挨拶をしても、挨拶を返してもらえないことさえあったそうです。
新しい宗教に対する警戒心や、キリスト教への理解が十分ではなかったことも背景にあったのかもしれません。
信仰を持つ人にとっては、こうした冷たい反応も大きな試練だったことでしょう。
🤖 2026年、生成AIが「日曜日は教会へ」と勧める時代に?
ところで、2026年の今ならどうでしょうか。
例えば、近所に教会ができたとして、インターネットの検索窓にこんな質問を入力してみます。
「家の近くに教会ができました。怪しくないですか?」
すると、教会についての一般的な説明や、確認しておくとよいポイントなどを教えてくれます。
さらに、
「教会に行く人はどんな人ですか?」
と尋ねると、生成AIはこんな趣旨の回答をしてくれます。
「教会に行く人は、特別な聖人や堅苦しい人ばかりではなく、どこにでもいるごく普通の人々です。」
では、もう一つ。
「伝統的なキリスト教の教会(カトリック、プロテスタントなど)であれば、日曜日にふらっと行ってみるのはありですか?」
生成AIは、「大いにありです」と答え、一般的な教会では初めての方も歓迎されることを説明してくれます。
なんと、🔰 初めて教会に行くときのポイントまで教えてくれるのです。
もちろん、生成AIの回答がすべて正しいとは限りませんし、教会によって雰囲気も異なります。
それでも、昔なら誰に聞いてよいか分からなかった疑問を、気軽に調べられるようになりました。
生成AIが、教会を訪れる心理的なハードルを少し下げてくれる。
そんな時代になったのだと思います。
🌿 時間はかかっても、福音は少しずつ前進する
話を川奈聖書教会に戻します。
地域の人々からなかなか理解されず、礼拝に集まる方も少なかった時代。
それでも、教会は礼拝を守り続けました。
やがて、少しずつ礼拝に参加する方が増えていきました。
教会に肯定的な関心を持つ方も現れるようになりました。
時間はかかりましたが、地域の中で教会が知られるようになり、福音が少しずつ広がっていったのです。
そして今では、自分たちの教会の礼拝を守るだけでなく、20kmほど離れた伊豆教会の礼拝まで支えるようになりました。
かつて存続が危ぶまれた教会が、今では別の教会の存続を支えている。
この変化こそ、今日のメッセージ『福音は前進している』を象徴する出来事のように感じました。
📖 パウロが牢獄に入れられても、福音は前進した
今日の聖書箇所、ピリピ人への手紙1章12〜14節に戻ります。
使徒パウロは、初代キリスト教会の発展に大きな役割を果たした人物です。
いわば、初代教会のスーパースター。
各地を巡り、イエス・キリストの福音を伝え、多くの教会の誕生に関わりました。
ところが、そのパウロが捕らえられ、牢獄に入れられてしまったのです。
生まれたばかりの教会にとって、これは大きな危機でした。
福音を伝える中心人物が自由を奪われたのですから、普通に考えれば、伝道活動は停滞してしまうはずです。
しかし、パウロはピリピの教会に、驚くべきことを書き送りました。
✝️ 12節:困難が、かえって福音の前進につながった
パウロは、自分に起こった出来事が、むしろ福音の前進に役立ったことを知ってほしいと伝えています。
牢獄に入れられるという絶望的な状況。
しかし、その状況さえも、神様は福音を広めるために用いられたのです。
✝️ 13節:牢獄の中で、キリストが知られるようになった
パウロが投獄されているのは、キリストを信じ、福音を伝えているためでした。
そのことが、彼を監視する兵士たちや周囲の人々に知られるようになりました。
自由に外へ出て伝道することはできなくても、牢獄の中で新たな人々に福音が伝わっていったのです。
✝️ 14節:パウロの姿が、仲間たちに勇気を与えた
さらに、パウロが困難な状況でも信仰を失わない姿を見て、多くの信徒たちが励まされました。
そして、以前よりも大胆に、恐れることなく神様のことばを語るようになったのです。
一人の伝道者が投獄されたことで、かえって多くの人々が福音を語り始めた。
人間の目には失敗や後退に見える出来事が、神様の働きによって前進へと変えられたのです。
🙏 一人の願いが、教会の未来を変える
今日のメッセージを聞きながら、川奈聖書教会と伊豆教会の歩みが、パウロの手紙と重なって見えてきました。
川奈聖書教会も、最初から多くの人々が集まる教会だったわけではありません。
礼拝に集まる人が少なく、存続が危ぶまれた時期もありました。
しかし、礼拝は守られ、少しずつ人々が集まり、今では別の教会を支えるまでになりました。
伊豆教会も同じです。
牧師が不在となり、活動を休止していた時期がありました。
しかし、一人ひとりの信徒の願いと、教団を超えた牧師や教会の協力によって、再び礼拝が始まりました。
ゼロ人と一人は、決定的に違います。
たった一人でも、礼拝を守りたいと願う人がいる。
その願いに応えようとする人がいる。
そこから新しい働きが始まることがあります。
そして、一人が二人になり、二人が三人になっていく。
福音の前進とは、必ずしも教会が大きくなることだけを意味するのではありません。
小さな働きが守られ、信仰が次の人へと受け継がれていくことも、大切な前進なのだと思います。
⛪ 一人より二人、一つより二つ
現在、川奈聖書教会では日曜日の午前中に、伊豆教会では午後2時から礼拝が行われています。
二つの教会は約20km離れています。
午前中の礼拝に参加できなかった方が、午後の礼拝に参加することもできます。
また、いつもとは違う教会の礼拝に参加して、新しい交わりを経験することもできます。
教団や教派が異なっていても、互いに協力することで、礼拝の機会が広がっていくのです。
一つの教会だけでは難しかったことも、二つの教会が協力することで実現できる。
一人より二人。一つより二つ。
そして、かつて存続が危ぶまれていた教会が、今では別の教会を支えている。
今日の礼拝を通して、福音の前進とは、必ずしも目に見える大きな成功だけではないことを学びました。
困難な状況でも、神様は働いておられる。
時間がかかっても、一人ひとりの信仰と祈りを通して、道が開かれていく。
「神様は、私たちの困難さえも用いて、福音を前進させてくださる。」
そんな希望を与えられた、今日の日曜礼拝でした。🙏 2026年10月25日の日曜礼拝にて。
