海外出張からの帰りの飛行機の中で見て感動した映画を紹介します。私の故郷「福井」が舞台。
なぜ季節は春から夏、秋、冬と巡るのか?物の道理の理解や、科学・医学の発展が西洋の影響を受けて広まっていこうとする19世紀の江戸末期。福井藩に属する町医者(笠原先生)を松坂さんが演じます。痘苗伝播のための種痘に全身全霊を捧げるべく、志高く物事を成し遂げる医者が故郷の福井にいました。私たちに身近なワクチンと言えば新型コロナワクチン接種ですが、天然痘に苦しんだ当時、海外から長崎を経て京都へ活性ワクチン(痘苗)がもたらされました。京都に送られた痘苗は、駆けつけた福井の笠原先生によって分苗され、北陸を含めた西日本一帯に広がりました。映画の中で流れる夏の蝉の音、荒れる日本海の映像、紙漉きや福井市にある養浩館庭園の風景が映し出されていることで、福井の人にとっては生まれ育った福井が愛おしく感じられると思います。
この映画を見た1週間後に福井へ行く機会があり、母と訪れた市内の蕎麦屋の近くで偶然「種痘所跡」を見つけました!種痘所の開所はNHKの大河ドラマ「べらぼう」の舞台となる江戸時代の中後期からまだもう少し先のことになります。この映画は巨匠・黒澤明の助監督を務めた小泉さんが監督されました。ワクチン接種に関心がある方、北陸地方出身の方、近代への移行期や近代化の始まりに興味がある方などなど、多くの方にオススメできる愛と感動の映画です。
福井が舞台になっている感動の映画は他にもあります!機会があれば記事にしたいと思います。
原作 吉村昭『雪の花』 脚本:齋藤雄仁 小泉堯史 音楽:加古隆(2025)雪の花ーともに在りてー(映画「雪の花」製作委員会)

映画『雪の花 ―ともに在りて―』大ヒット上映中
松坂桃李 芳根京子 役所広司|多くの人命を奪う疫病と闘った【笠原良策とその妻】愛と感動の実話