号外を受け取ったことって、ありますか?
「号外」とは、通常の新聞の発行を待てないほど大きなニュースが起きたときに、新聞社が臨時に発行し、街頭などで無料配布する新聞です。
天皇陛下の即位や改元、首相の辞任、オリンピックでの歴史的な金メダル、ワールドカップ、大事件や大災害、ノーベル賞受賞――。
そんな「今すぐ伝えたい!」というニュースが飛び込んできたとき、号外が発行されてきました。
ところが私は、長い人生、街頭で号外を受け取ったことが一度もありませんでした。
考えてみれば、号外が配られるのは人がたくさん集まる場所です。東京なら新宿・渋谷・有楽町、大阪なら梅田、神奈川なら横浜といった大都市の主要駅や繁華街が中心。田舎に住んでいると、号外に出会う機会はどうしても少なくなります。
号外とは、「大ニュースが起きた! 今すぐ知らせよう!」と街へ飛び出して配る、昔ながらの速報メディアなのですね。
生まれて初めて手にした号外
前置きが長くなりました。
2026年9月、横浜・みなとみらいの交差点で、私は生まれて初めて号外を受け取りました。
横浜みなとみらいで「Pokémon Sleep(ポケモンスリープ)」のイベントが開催されていたことと関係していたようです。
手渡されたのは、サンスポ関東版。
「日本一のカビゴン県決定!!」
という、なんとも楽しそうな号外でした。
そもそもカビゴンって?
カビゴンは、『ポケットモンスター』に登場するポケモンです。英語名はSnorlax(スノーラックス)。初代から登場している、かなり古参の人気ポケモンです。
最大の特徴は、何といっても「食べて、寝る」こと。
大きなお腹をした、のんびりとした姿をしていて、大量の食べ物を食べ、食べ終わると眠ってしまうという設定です。
私は「カビゴン」という名前までは知りませんでしたが、「Pokémon Sleep」というアプリを一時期使っていたので、号外を見てすぐにピンと来ました。
寝ることがゲームになる「Pokémon Sleep」
Pokémon Sleepは、睡眠を記録しながらポケモンを集めて楽しむスマートフォン向けアプリです。2023年にサービスが始まりました。
寝るときに睡眠計測を開始すると、朝には睡眠時間や睡眠タイプなどが記録されています。そして、その睡眠に応じて、眠っているポケモンたちがカビゴンの周りに集まってきます。
そこで、いろいろなポケモンの「寝顔」を集めていくのです。
普通のゲームとは少し違います。
「たくさん遊ぶ」ことよりも、「毎日きちんと眠る」ことがゲームにつながるのです。
「そろそろPokémon Sleepを始めるから寝よう」
そんなふうに、寝るきっかけを作ってくれるところが、このアプリの面白いところです。
私は途中でやめてしまいました
そんな面白いPokémon Sleepですが、私はしばらく使ったあと、やめてしまいました。
睡眠を計測するだけなら簡単です。寝る前にスマホを適切な場所に置き、朝になったら計測を終了するだけ。
ところがPokémon Sleepは、単なる睡眠計測アプリではありません。かなりしっかりした「ゲーム」でもあります。
ポケモンを育てる。カビゴンを成長させる。食事を作る。アイテムを管理する……。
最初は楽しいのですが、数か月続けていると、毎日のルーティンが少しずつ負担になってきました。
「睡眠を記録したかっただけなのに、毎日やることが増えてきた……」
そう感じる人もいるようです。
私です(笑)。
さらに、本来はリラックスするための睡眠が、「今日は良い睡眠だったか」と評価されるものになってしまうこともあります。
それでもPokémon Sleepの価値は、「ずっと使い続けること」だけではないと思います。
自分が何時に寝て、どれくらい眠っているのか。
自分の睡眠時間や生活リズムを意識するきっかけを作ってくれる。
それだけでも十分に意味があります。
全国で一番よく眠る県は?
そして今回の号外につながります。
「全国睡眠県グランプリ2026」は、Pokémon Sleepの実際の睡眠計測データなどを利用して、「どの都道府県がよく眠れているのか」を比較した企画です。
私が受け取った号外は関東版だったためか、
「カントー王者 群馬」
という文字がデカデカと目を引きました。
ところが群馬県は、全国では17位。
号外によると、通勤時間が長く、座って仕事をすることが多いほか、夜型で週末に寝だめをする傾向があるそうです。中でも「若年女性の夜型・寝つきの遅さが顕著だった」と書かれていました。
では、全国トップ3は?
1位 宮崎県
2位 新潟県
3位 福井県
なんと、私の出身地である福井県が全国3位!
「早寝早起き、たっぷり睡眠」。
堂々3位の「眠りのエリート」なのだそうです。
ゲームをしていたら、巨大な睡眠データに
一時期、私もハマっていたPokémon Sleep。
今回の号外を読んで、このアプリにはゲームとは別の面白さがあることに気づきました。
Pokémon Sleepは、単に「睡眠をテーマにしたゲーム」で終わりません。
多くの人が毎晩使うことで、日々の睡眠に関する大量の実測データが自然に蓄積されていくのです。
カビゴンを育てるために寝る
↓
自分の睡眠習慣が記録される
↓
たくさんの人のデータが集まる
↓
日本人の睡眠の地域差まで見えてくる
考えてみれば、なかなかすごいことです。
ゲームが、ある意味で巨大な「市民参加型の観察研究」のような役割まで果たしているのです。
もちろん、Pokémon Sleepを利用している人のデータなので、日本人全体を無作為に抽出した学術的な疫学調査とは区別して考える必要があります。
それでも、
「ゲームを楽しんでいたら、その行動が社会的に興味深いデータになっていた」
という発想は、とても現代的だと思います。
「カビゴン」の名前の由来も面白い
ちなみに、「カビゴン」という日本語名。
ちょっと変わった名前ですよね。
有名な逸話では、モデルになった人物が、食べ物にカビが生えていても気にせず食べてしまうほどの大食漢だったことから、「カビゴン」と呼ばれるようになったのだそうです。
一方、英語名のSnorlaxは、日本語名をそのまま英語にしたものではありません。
snore(いびきをかく)+ relax(くつろぐ)
を組み合わせた名前とされています。
いずれにしても、カビゴン(Snorlax)は今や、まさに「睡眠の象徴」のような存在ですね。
昨年はポケカ(ポケモンカード)で大変な目に遭いましたが(笑)、Pokémon Sleepでは、今度こそ「良い目」に遭えるかもしれません。
私も最近は、努めてよく眠ることを心がけています。
生まれて初めてもらった号外を眺めながら、
目指せ、快眠エリート!


