読書:対岸の彼女

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ふとしたきっかけで手に取った一冊と、「重ねる時間」の話

先日、JAF Mate(日本自動車連盟の会員誌)をぱらぱらと読んでいたときのこと。
エッセイに登場していた 角田光代 さんが、なんと自分と同い年だと知りました。

それだけで、なんだか急に親近感が湧いてきて、
「せっかくだし、直木賞の作品を読んでみようかな」
そんな軽い気持ちで手に取ったのが今回の一冊です。

過去と現在が交差する、静かだけど深い物語

タイトルから想像できる通り、物語の軸は女性同士の関係。
でも、いわゆる“出会いの話”という単純なものではありません。

高校時代の葵とナナコ。
そして大人になった葵と、その部下として働く同級生・小夜子。

この「過去」と「現在」が何度も交差しながら、少しずつ物語が編まれていきます。

旅の記憶と、あの頃の空気

特に印象的だったのは、高校時代の描写。

好きなものを言い合って、
同級生のナナコと二人で日本を旅する――

どこかで見たことがあるような、でも確かにリアルな青春の空気感。
だからこそ、自然と物語の中に引き込まれていきます。

「年をとる」ではなく「年を重ねる」

物語の終盤で、小夜子がふと問いかけます。

私たちは、なぜ年を重ねるのか

この言葉が妙に心に残りました。

「年をとる」ではなく、「年を重ねる」。
同じようでいて、ずいぶん違う言葉です。

過去の出来事や人との関係が、
少しずつ積み重なって今の自分をつくっている――
そんなことを静かに考えさせられます。

世界で一番きれいな場所ってどこだろう

作中にはこんなシーンもあります。

世界中を旅したことのある先生に、
「どこが一番きれいだったか」を尋ねる場面。

確かに、全部見ていないと“ベスト”なんて決められないですよね。

ふと思い立って、いろいろ挙げてみると…

世界の絶景たち

モルディブ:空に浮かんでいるような透明な海
ボラボラ島:エメラルドのラグーン
ウユニ塩湖:空を映す“鏡”の世界
マッターホルン:絵画のような山
カッパドキア:気球が浮かぶ幻想風景

日本にもある、心に残る景色

  • 宮古島:息をのむ透明度の海
  • 白神山地:原始の森
  • 上高地:日本アルプスの静けさ
  • 竹富島:時間がゆっくり流れる場所

「死ぬまでに一つでも行けたらいいな」と思う場所ばかりです。


最近の“好き”も、ちゃんと重ねている

ふと自分の「好きなもの」を考えてみると、意外と具体的。

  • やみつきしみかりせんべい(山形)
  • 松岡軒の羽二重どら焼き
  • マカロン、カヌレ

そして次に福井へ行くなら、
はや川の羽二重くるみは外せません。

こういう小さな「好き」も、きっと“重ねているもの”の一つなんでしょうね。

読み終えて、なぜか誰かに会いたくなる

この本を読み終えたあと、不思議な気持ちになりました。

ただ旧友に会って話したくなるだけじゃなくて、
なぜか「ちょっと奢りたいな」という気分になる。

理由はうまく言えないけれど、
たぶんそれだけ、人との時間が愛おしく感じられたから。


友達って、いいなあ。

そんなシンプルな気持ちが、じんわり残る一冊でした。

角田光代(2004)対岸の彼女(文藝春秋)

『対岸の彼女』角田光代 | 文春文庫
今を生きるすべての女性たちへ。直木賞受賞の傑作登場 女社長の葵と専業主婦の小夜子。二人の出会いと友情は、些細なことから亀裂を生じていくが……。孤独から希望へ、感動の傑作長篇『対岸の彼女』角田光代
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