自宅から徒歩圏内に図書館と本屋があるせいか、最近は自然と読書の時間が増えてきました。ちょっとした“つまみ食い”感覚でページをめくり、心に残った本は記事にまとめる——そんな日々が続いています。
そんな折、米国出張の帰り道に出会った映画の話を。
砂浜を歩いた「カリフォルニアの美しいビーチの朝散歩」のあと、帰りの飛行機の中で観た一本の映画に心を揺さぶられました。選んだ理由はシンプルに“タイトル”です。
ご存知のとおり、四年に一度しか来ない366日が閏年。実はとしきおやじは「法律で具体的に月日が明記されず、主に4年に一度、祝日が移動する祝日」に生まれました。子どもの頃から、自分の誕生日が必ずしも祝日でないことに少し引っかかりを覚えていたものです。オリンピックが四年に一度なのは有名ですが、誕生日が“祝日じゃない年”があるというのも、なかなかユニークな経験でした。
ちなみに、この映画の主演お二人の誕生日は3月1日と2月28日。つまり、その間には“366日”が挟まっているんです!なんとも象徴的ですよね。赤楚さんの真っ直ぐな演技には惹きつけられ、上白石さん(もしかするとお姉さんの方だったかもしれませんが)の英語力の高さを思い出したり。飛行機の中という非日常のシチュエーションも相まって、心に強く残る作品になりました。
この映画、おやじ世代に(も?)刺さるではないですか!
観終わって言えることはひとつ——おやじ世代に(も?)ハンカチ必須レベル🔫。
あらすじのネタバレをするつもりは全然ないのですが、もしかしたら少し踏み込みすぎてしまっていたらごめんなさい…🙏
使われている音楽🎵の媒体はスマホ📱ではなく、昔作ったオリジナルテープ📼(今はもう処分済みですが…)を思い出させてくれました。あのアナログの質感、懐かしいですね。
さらに印象的だったのは、映像に映る沖縄の海。撮影場所は「うるま市」そして海は今帰仁村(なきじそん)の赤墓ビーチだそうです。その景色は、これまで訪れた数々の海辺や、故郷・福井の澄んだ海を思い出すのに十分な力を持っていました。
物語の中には、我々の年代に刺さるアイテムもたくさん散りばめられています。折り畳み携帯、大きな画面のラップトップPC、そしてスマホのノートアプリではなく、ぺらぺらとめくるノートブック📖…。どれも「あの頃」をふっと思い出させるものばかりです。
昔を振り返りながらも、「おやじ世代の人生もまだまだこれからだ」と思わせてくれる一作。号泣必至、そしてセンチな気分に浸りながら見られる映画でした。
新城毅彦(2025)366日(松竹株式会社)
