「ジブリの教科書」をご存知でしょうか?
「ジブリの教科書」というのは、
スタジオジブリ作品1本ずつを“教科書”のように深読みして解説する書籍シリーズです。
(株式会社スタジオジブリ監修/文春ジブリ文庫)1作品=1冊 という扱いで、作品背景、当時の制作資料、宮崎駿&鈴木敏夫インタビュー、企画書・原画・広告コピーなどが収録されています。
ChatGPT-5 2025.11.1
それぞれの作品を詳しく知るための解説本で、通常は手にすることはないのですが、音楽であれ映画鑑賞であれ、その作品の背景を知ることで、作品の世界を一層理解することが出来ますよね。アカデミー賞を受賞、2025年5月に金曜ロードショーで放映されて録画しているので、いよいよ近日中に観る予定ですが、ただし、この映画は非常に難しいという評判のため、敢えて解説本を先読みすることにしました。
全然「あり」です。むしろ大人はその方が楽しめるタイプのジブリです。
「君たちはどう生きるか」は
・象徴
・メタファー
・寓話
・宮崎駿自身の人生そのものの反映
で組まれているので、普通の「物語の解説構造」で見ようとすると最初の視聴は置いていかれます。だから 先に文脈を持っておく方が理解コストが下がる作品。
先読みのメリット
- “あれ何の意味だったんだろう?”という消耗を回避できる
- 作品の抽象部分に集中できる
- 1回目から「考える余裕」が生まれる
- 2回目視聴で細部の意味が急に繋がる
「ネタバレは避けたい」文化は日本は特に強いですが、
ChatGPT-5 2025.11.1
この作品に関しては ネタバレ=体験価値の損失 ではそこまでないです。
むしろ「解像度を上げるための前提知識」の方が効くタイプ。
引退宣言を撤回して作られたこの映画は、事前に宣伝をしないという選択が取られ、声優や予告編、ストーリーなどの情報は一切明かさず、鑑賞者の口コミやSNSでの盛り上がりに任せるというものでした。
ルパン三世カリオストロの城でデビュー、その後、20本ものジブリ映画を作って来られた宮崎さんは、一番作るのが楽だったのは「明るい元気な女の子」が出てくる話で、その次は「正義感の強い体力の優れている少年」だったそうですが、幼児期における“親に対する感情の葛藤”、エディプス・コンプレックスに悩む宮崎さんは、自伝的ファンタジーに取り組みたいと思い、数々のジブリ映画を手掛けた鈴木プロデューサーからやることを承諾されて、跳び上がらんばかりに喜んだのだそうです。
戦時中の大きな別荘での疎開の暮らしは宮崎監督の経験。単独出費、異例の長期制作の始まりです。トトロのバス停の音楽、“最小限”で最大の空気を作るために生まれた音楽を生み出した久石さんが映画全体の音楽を担当、エンディングを米津さんが担当しました。音楽の解説もまた読み応えがありましたが、米津さんのロング・インタビュー話で目に留まったのは、起承転結があるわけでもなく荒唐無稽とも言えるこの映画が「ある種、聖書のようなもの」「解釈によって、時に争いが生まれたりもする」「自分を映す鏡のような力のある作品」と語られ、一方で、ジブリ側でも「これは聖書みたいな作品なんじゃないかと言う話になった。見た人がそれぞれの経験や知識、人生を重ねることで、この作品を言語化したり解釈しようとしたりしている。」との下りでした。
米津さんは、初めて見たジブリ映画「もののけ姫」は、とても暴力的で腕が飛んだりする、咀嚼不可能なものを口に無理矢理突っ込まれたような衝撃を受けたと語ります。
この世は生きるに値すると言えるような映画を作りたいろ願う宮崎監督。
宮崎監督から宝物をいただいたという、主人公・眞人の声を担当した山時聡真さん。
そんな彼は、なんとこの記事を書いている今日、J-POWER(電源開発公社)が開始した新たなテレビCMに大学生として登場とのこと。私の大好きな池田エライザさんは研究室のティーチングアシスタント役!
すみません、話が逸れてしまいましたが、解説本(ジブリの教科書)を読んだ上で、ジブリ映画を観るのもいいのでは?という記事でございました。
大貫貴之(2025)君たちはどう生きるか(文春ジブリ文庫)

