将棋×ミステリー。久しぶりに「一気読み」した一冊
今回読んだのは、「愛の挨拶」「夏の魔法」をきっかけに知った、本岡さんの長編本格推理小説です。
今回もタイトルは「○○の△△」という二語構成。
内容が想像しやすく、ストレートで分かりやすい印象を受けました。
本岡さんは、早稲田大学卒業後、雑誌編集者(将棋コラム担当)を経て作家デビューされた方。
将棋をテーマにした物語ということで、「これはリアリティがありそうだな」と、読む前から期待が高まります。
主人公は、24歳の若手棋士・水無瀬五段。
若さと実力を兼ね備えた設定で、物語にも自然と引き込まれていきます。
舞台は意外と身近な場所から?
物語の中で登場する被害者の自宅の最寄り駅は、市川大野駅。
東京のすぐ東側ですが、意外と行くのに時間がかかる場所です。
市川といえば梨が有名ですよね。
周辺には梨農園が広がっていそうで、「梨の季節に行ってみたいな」と思ってしまいました。
また、皇居から反対方向に約20kmほど行くと、生田緑地があります。
多摩丘陵の自然が残るエリアで、個人的にもなじみのある場所。
いつか紅葉の季節に行ってみたい候補のひとつです。
こうして考えると、都心から20kmほど離れるだけで、自然や農地がしっかり残る場所が増えてきますよね。
……と、ここまで書いてきましたが、実はこれらの場所は、事件の舞台とはあまり関係ありません(笑)。
本当の舞台は「山形の温泉町」
物語の重要な舞台となるのは、山形の温泉町です。
ただし、実在する温泉地ではなく、架空の設定になっています。
温泉は日本の魅力のひとつでもあるので、イメージへの影響を考えて、あえて実名を避けたのかもしれませんね。
一方で、松尾芭蕉の奥の細道
「静かさや 岩にしみ入る 蝉の声」
で知られる、山形の有名なお寺も登場します。
こちらは実在する場所で、長い階段を登った先からの景色はまさにパノラマ。
ハイキングにも良さそうで、ちょっと行ってみたくなりました。
謎のメモをめぐるミステリー
この小説は、被害者が残した「謎のメモ」を手がかりに、真相を解き明かしていく構成になっています。
久しぶりに推理小説を読みましたが、これがとにかく読みやすい。
長編にもかかわらず、気づけば一気に読了していました。
テンポもよく、無理なく物語に入り込める一冊です。
次はシリーズ第2弾へ
読み終えてすぐに、「これは続きも読みたいな」と思いました。
次は、水無瀬棋士が活躍するシリーズ第2弾
『花の罠』にも挑戦してみる予定です。
将棋×ミステリーが好きな方には、ぜひおすすめしたい作品でした。
本岡類(1997)奥羽路 七冠王の殺人(祥伝社)

