📖 短時間で読める一冊――森鴎外『雁』
最近、久しぶりに「日本の近代文学」を読みたくなって、手に取ったのが『雁』でした。
きっかけは、『ブラック・ジャックは遠かった』の中で紹介されていた、
大学時代の放浪の旅のエピソード。
その旅は、森鴎外『雁』の舞台――東京を歩くことから始まっていました。
無縁坂、旧岩崎邸、神田練塀町、秋葉の原、仲御徒町……。
今も地図を見ればたどれる、リアルな場所ばかりです。
「そんな舞台の小説って、どんな作品なんだろう?」
そう思って、どんどん読み進めてみました。
📘 「難しそう…」から始まった読書
正直に言うと、最初の印象は――
👉「ちょっと難しそう…」
文語調っぽいし、近代文学だし、途中で挫折するかな…と少し不安でした。
ところが。
あっという間に読み終えてみると、
静かに、じんわり心に残る一冊。
派手さはないのに、読後に余韻だけが残る。
そんなタイプの小説でした。
🌿 『雁』は“いちばん小説らしい鴎外作品”
『雁』は、森鴎外の作品の中でも、
「もっとも小説らしい小説」
と言われることが多い名作です。
✔ 明治末〜大正初期に書かれた作品
✔ 古風な表現は多め
✔ でも、ストーリーは意外と分かりやすい
✔ 長すぎず、読み切れる
近代文学ビギナーにも、意外と優しい一冊だと思います。
恋愛小説としても分かりやすく、
森鴎外入門にもおすすめです。
💭 ハッピーじゃない。でもリアル。
この物語は――
✔ ハッピーエンドではない
✔ スッキリもしない
✔ どこかモヤっと残る
でも、それが逆に「現実っぽい」。
人生って、だいたいそんなものですよね。
🧑🦳 若い頃より、今のほうが刺さる
読んでいて、ふと思いました。
👉「これは、中年以降のほうが刺さる小説だな」と。
若い頃に読んでいたら、
「地味だな…」
「退屈かも…」
と思っていたかもしれません。
でも今読むと、
この“遠回りな人生”が、なぜか愛おしい。
そんな感覚になりました。
🪶 なぜタイトルは「雁」なのか?
ところで、なぜ「雁」なのか。
雁(wild goose)は、今でも水辺が残る場所なら都市部でも見られる渡り鳥です。
鴨に似た、どこか素朴な鳥。
物語の終盤、
不忍池にいた雁は、主人公が投げた石で命を落とします。
そして――
ドイツへ旅立つ東大生たちの“酒の肴”になる。
ちょっと残酷で、でも象徴的な場面です。
主人公たちの報われない恋が、
一羽の雁に託されているようにも感じました。
(がんもどき、という名前があるくらいなので…きっと美味しかったのでしょうね😅)
🗺️ 東京という「舞台」の意味
さらに面白いのは、舞台設定です。
鴎外は、東京の地理にとても詳しい作家でした。
✔ 身分差
✔ 貧富の差
✔ 教養の差
こうした“社会の差”が、
「場所」によって分かれることを熟知していたのです。
だからこそ、
👉 架空の町ではなく、実在の東京
を舞台にして、物語にリアルさを与えました。
小説を読みながら地図を見るのも、なかなか楽しいですよ。
☕ まとめ:大人のための静かな一冊
『雁』は、
✨ 派手さはない
✨ でも、深く残る
✨ 大人向けの名作
そんな一冊でした。
おすすめは――
📍 時間のある休日
📍 コーヒー片手に
📍 ゆっくり読む
これが最高です ☕📖
若い頃には分からなかった物語が、
年齢を重ねてから、ふと胸に響く。
そんな読書体験ができる一冊でした。
また良い本に出会ったら、書き留めておこうと思います。

